朴葉ずしと山法師(ヤマボウシ)
今年も朴葉すし作りました
田植えの季節が終わり、田んぼの脇にある「田の神様」に無事な作業の終了と豊作を祈願するための朴葉すしを作る時期がやってきました。
これは私の夫の田舎に伝わる大切な伝統行事です。
まず、田の神様に朴葉すしをお供えします。
そしてその後、家族みんなでこの特別な料理をいただきます。
昔は多くの人々が集まり、田植え作業を手伝いながらこの行事を祝ったものでした。
今では、朴葉すしは家庭の味として受け継がれ、各家庭で異なる具材や包み方が楽しめるソウルフードとなっています。
昔ながらの朴葉すしの作り方
1.朝の準備
青々とした朴(ほお)の木の葉を山で採ってきます。
2.葉の準備
葉の表面を濡れ布巾できれいに拭きます。
3.すし飯の準備
炊きたてのご飯に合わせ酢を入れ、すし飯を作ります。
※合わせ酢の割合は、酢4:砂糖4:塩1です。
4.具材の準備
すし飯を朴葉の中央に縦に置き、具材を彩りよく盛り付けます。
メイン具材はしめサバです。
その他に菊ごぼう、椎茸、貝時雨、彩りとして紅ショウガ、金糸卵、茎わかめを使います。
具材は斜めに配置するのが伝統です。
家庭によってはシーチキンやフキの煮つけを使うこともあります。
5.包む作業
朴葉を四つ折りに包み、折り込んだ面を下にして重ねます。
二つ折りにする家庭もあります。
重ね置きすることで、すし飯に葉の香りが移り、朴葉の殺菌作用や防カビ作用で安心して食べられます。
朝取りの新鮮な朴葉を使い、若干温かいすし飯に葉の香りが移り、ついつい食が進んでしまいます。
この地方の伝統食として、絶やさず作り続けていきたいと思います。
山法師(ヤマボウシ)の美しさ
田んぼの近くにはヤマボウシ(山法師)が美しく咲き誇っています。
ヤマボウシの葉が広がり、数多くの白い花が咲き乱れる様子は圧巻です。
花の重みで枝がしなる様子は、まるで雪が降り積もっているかのようで、遠くから眺めるとその美しさに見入ってしまいます。
朴葉すしを作るこの季節、田んぼや山の美しい風景もまた、私たちの心を豊かにしてくれます。
毎年この時期に感じる自然の恵みと、伝統を守り続ける喜びを改めて噛み締めながら、今年も家族と一緒に朴葉すしを楽しみました。
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